産後どうしよう?行政の産後支援をフル活用して乗り切った話~岐阜県高山市の産後ケア事業の体験談~

1、はじめに

高山市在住のライター、恵子です! 私の家族は、田舎暮らしがしたくて名古屋から高山市へ移住してきました。

このコロナ禍(2021年3月)に親も親戚もいない移住した先で、第三子を出産しました。 こんな時に出産に挑むのは実家にも帰れず、親も来てくれず・・・・。どうしようどうしようと不安だったのを思い出します。 そこで今回の出産は、岐阜県高山市が行っている産後ケア事業をフル活用させていただきました。その実体験をレポートします!

高山市 産後ケア事業 詳細はこちら https://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000016/1000094/1000480/1012407.html

本題に入る前に、場所の紹介です。

2、岐阜県高山こんな所です。

岐阜県の北部に位置し、古い町並みなどの観光スポットがあります。面積は約2177平方kmで日本一広い市です。それに対して人口は約8万5千人(令和3年8月調べ)です。1平方km当たり41人しか住んでいません。(ちなみに東京23区は1平方km当たり14,796人です。令和3年8月調べ)人混みも少なくのびのびとした環境です。H25~H29年の合計特殊出生率の全国平均は1.43に対し、高山市は1.65と高い数字です。スーパーや公園に行けば、3人兄弟、4人兄弟のご家庭もよく見かけます。我が家も日常のふとした時に、たくさんの兄弟のいる光景を目にして、3人目がいてもいいなぁ~と思うようになりました。

では、妊娠から出産後1~2か月でお世話になった方々を紹介します!

3、 気分が不安定になった時お世話になりました 地域担当の保健師さん、精神福祉士さん

妊娠中はつわりがひどく体調がどん底で、気分がひどく落ち込みました。その時、相談の窓口になってくれたのが、住んでいる地域担当の保健師さんでした。最初の一歩は高山市役所横、高山市保健センターの健康推進課の窓口に行って、「気分が落ち込むので相談できる人を紹介して欲しい。」と話をしに行きました。後日、地域担当の保健師さんから電話があり話を聞いてもらい、精神福祉士さん※との無料相談の日程を組んでくれました。保健師さんは話を聞き、必要な専門家へつなぐパイプ役です。

精神福祉士さんとの相談は、30分と短い時間でしたが、あれも不安、これも不安と漠然とした話をしましたが話を整理し不安解決の糸口を一緒に考えてくました。頭の中でグルグルと無限ループに陥っていた不安が、話をする事で出口の希望が見えてきて楽になりました。 初めはどんな人と話をするのかな、苦手なタイプだと嫌だなとか、精神福祉士という精神障がいの専門家に診てもらう程、酷い状態かなとか変なプライドが邪魔をしましたが、今この状態を何とかしたい一心で相談しました。変な心配は無用でした。そこは専門家です。しっかりと私の話を聞いてくれ、話した内容は秘密厳守。勇気を出して助けを求めて良かったなと思いました。もっと気軽に、相談して良かったなとカウンセリングが終わった後、思いました。

※精神福祉士・・・国家資格で精神障がいのある方やそのご家族から相談を受けたり、社会復帰をするための指導を行ったりと精神保健福祉に関する支援を行う専門家。

4、産後の大変なお母さんを支援する「産後ケア事業」

岐阜県高山市には産後ケア事業があります。利用対象者は、岐阜県高山市に住民登録があり、産後1年未満のお母さんのうち、家族などから家事育児の支援が受けられない方です。うちは、両方の実家が県外なので利用させていただきました。

利用開始には地域担当の保健師さんとの面談が必要で、申請書を書く必要があり、高山市からの利用者の認定が必要です。私は産前から利用したいなと思っていたので、出産前に地域担当の保健師さんに連絡を取って出産予定日を伝えておいたのでスムーズに利用できました。

助産師さん訪問 産後、退院してから~産後1カ月頃まで週に一度来て頂きました。赤ちゃんの体重を測って発育状態を見たり、赤ちゃんの沐浴を手伝ってもらったりしました。産後すぐは母乳の出がなかなかスムーズに行かないので、赤ちゃんがどれくらい母乳を飲めているのか心配でした。助産師さんに母乳の出具合を見てもらい、マッサージをしてもらいながら、「赤ちゃんの夜泣きで上の子が起きちゃって二人同時に面倒見なくちゃいけなくて、体がしんどい(泣)」などの愚痴にも付き合ってもらいました。直接会って話しながら相談ができたのがありがたかったです。

上の子の時はこのような相談は赤ちゃんを連れて病院まで行っていましたが、こうして家に来てくれるのは本当にありがたないなと思いました。「まだ生活リズムがつかめない」「いつ泣き出すか分からない新生児を連れて着替えやミルクを用意してと、出かけるまでに準備だけで疲れ果ててしまう」「助産師さんが家に来るからと掃除しなきゃ」等と身構えますが、助産師さんは産後のお母さんが大変なのは知っているので部屋が散らかっていても気にしないですよ!利用料金は高山市の助成があり1時間1200円でした。

病院に赤ちゃんと一緒にお泊り 産後1か月を過ぎた頃「もう限界・・・!ゆっくり眠りたい(泣)」と利用したのが、病院に赤ちゃんと一緒に泊まるプランです。私は、アルプスベルクリニックを利用しました。 朝9時頃に行って、翌日の10時頃まで滞在しました。

病院に着き看護師さんに病室に案内され「ゆっくり休めるように、端っこの静かな部屋にしたからね。」と、優しい気遣いをしていただきました。また「どんな風に過ごしたい?」と聞いてくださって。「一人でゆっくり眠りたいです。」と要望を伝え、赤ちゃんは預かりがいいか、同室がいいか、授乳はどうするかなど打ち合わせをして、「じゃあゆっくりしてね~♪」と、赤ちゃんを預かってもらって部屋に一人で過ごしました。お昼には美味しそうなランチ、3時にはおやつ、夕方には晩御飯をいただきました。ご飯を作らなくていい、片づけなくていい。久々にすべての事から解放され、ベッドの上でのんびりとTVを見てうたた寝をして・・・そして、涙が出てきました。ああ、私、本当に疲れ切っていたなと。私はお母さんだから頑張らなきゃいけない。甘えちゃいけないなんて、勝手に思い込んでいただけだったなと。限界ぎりぎりになる前に「ヘルプ!助けて!」と声を上げて、使ってもいい支援を積極的に使ってもよかったなと思いました。帰り際に、看護師さんからも「お母さん頑張っているから、無理しないでね。また利用してもいいんだからね。」と声を掛けてもらい、赤ちゃんを預けてお母さん業を休むことの罪悪感は単なる思い込みだったなと思いました。

利用料金は高山市の助成があり一泊3食付き8000円でした。利用開始には、助産師さん訪問と同じで、利用者の認定が必要です。まずは地域担当の保健師さんに相談してみてください。

5、しんどい時は助けてもらっていい。

この他にも妊娠から出産まで沢山の方々にお世話になりました。 病院で担当して下さった助産師さんから、出産後これからの事が不安になっている私にこんな言葉をかけてくれました。

「大変な時には、周りに必ず助けてくれる人がいるから大丈夫よ。」

この言葉に救われた気がしました。大変な時、しんどい時、1人でどうにもならないと思った時、一人で抱え込まなくていいだ。固くガチガチになっていた心が緩んでいくのを感じました。

助けを求めれば支援してくれるつながりがこの岐阜県高山市にはあります。だから「助けて!」と声を支援機関に届けて欲しいなと思います。

比留木恵子
比留木恵子

2017年に田舎暮らしがしたくて、名古屋から高山市へ移住。0歳、保育園、小学生の子供がいる5人家族。仕事は、飛騨の美味しいものを全国に届ける通販サイトのアドバイザーをしている。地域活性化・まちづくりに興味があり、色んな人と喋れるワークショップが大好き。最近はパン作りに夢中。焼き立てパンを頬張る時がなによりの至福。

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