こんにちは、ライターのなかしまです。
私は5年前「白川村での買い物方法とは??」という記事を投稿しました。
今回は、その記事で触れた「駿河屋スーパーカー」という移動販売車の業務を担当する矢口さんに取材をしました。
この記事では、白川村の買い物事情の最前線で働く彼の想いを通じて、現在の買い物環境について発信したいと思います。
以前の記事はこちら → 「白川村での買い物方法とは??」
白川村は岐阜県の飛騨地方にあり、村の90%以上が山林であり自然が非常に豊かです。
北部の荻町を中心とした地区は白川郷の愛称で知られる伝統的な’’合掌造り’’が有名で、南部の平瀬地区は白山の麓から湧き出る温泉が有名な地区で、道の駅では足湯も楽しめます。
以前の記事でも触れましたが、白川村にはいわゆる大きなスーパーマーケットがありません。
日用品を買うことができる手段は3つあります。
1つ目は、JAさんが運営しているAコープ。
2つ目はコンビニ(デイリーヤマザキ)。
そして
3つ目は、「駿河屋スーパーカー」という移動販売車です。
白川村では、買い物に不便をきたしている高齢者など、いわゆる「買い物弱者」のニーズにお応えするため、事業拠点を『エブリ東山店』(高山市松之木町283-1)とする株式会社駿河屋魚一と連携し、平成30年5月から移動販売車を運行しています。(白川村HP:https://www.vill.shirakawa.lg.jp/2540.htm より転載)
白川村のお買い物環境を改善したいという想いから移動販売が始まったようです。
そして、今回駿河屋スーパーカーを担当している株式会社駿河屋魚一の矢口さんに、スーパーカーについて深堀するためにお話を伺いました。
矢口 友崇さん
岐阜県本巣郡北方町出身
駿河屋魚一に勤務し、駿河屋スーパーカーを始めとする移動販売事業を担当
中嶋「まずは駿河屋スーパーカーでどのような移動販売を行っているか教えて下さい。」
矢口「この移動販売車は、野菜、果物、お肉、惣菜、鮮魚、卵、お菓子、調味料、一般食品、できたてパン、日用品などなど、全部で800種類ほどの商品を2tトラックに積んで白川村の全域を決められたルートに沿って回っています。頻度は週3回月曜日、木曜日、土曜日に白川村に出動しています。野菜やお肉などの生鮮食品はその日の朝にトラックに積み込み毎回入れ替え、新鮮なものをお届けしています。惣菜もその日の朝できたものをお届けしています。また、事前の連絡を頂ければオードブルや通常よりもサイズが大きい惣菜の注文も承っています。」
この日のお刺身はまぐろ、サーモン、ホタテが棚に並んでいました。また、新鮮な野菜や果物が棚に揃っていました!
そして、天ぷら、とんかつ、いも天、かき揚げ、からあげ等スーパーのお惣菜コーナーが再現されています!
中嶋「移動販売のルートはどのように決めているのですか?」
矢口「白川村役場の担当の方と相談してルートの決定をしています。月に1回白川村役場にスーパーカーに関するご意見が寄せられるので、そちらを参考に定期的に調整を行っています。なるべく公平なルートになるように心がけています。」
中嶋「白川村役場との連携を密にしてきめていらっしゃるのですね。運行表を見ると細かく時間設定がされていますが、立ち寄る場所の滞在時間は決まっていますか?」
矢口「はい、1つの場所で15分~20分滞在しています。一日の間に白川村全域を回る必要があるため、滞在時間に制限を設けています。」
中嶋「確かに全域にサービスを行き渡らせるためには時間制限は仕方がないですね。」
詳しい運行ルートは白川村のHPに掲載されています
https://www.vill.shirakawa.lg.jp/2540.htm
中嶋「では、移動販売をしている中で住民の人からどんな反応がありますか?」
矢口「とても好評をいただいています。白川村役場が年に一回行うアンケートの中でも満足度が高いと言っていただいております。また、スーパーカーで販売を行っているとお客様との距離が近いため、必要とされているなと肌で感じることができます。その中でも嬉しいと感じたのは、50代くらいの女性の方に、『自分はまだ車を運転できるから遠方へ買い物に行くことができる。でも、将来車を運転できなくなったときにこうした移動スーパーがあると安心して白川村に住み続けることができるなと思えるからありがたいよ。』と言われたことです。」
中嶋「とても良いエピソードですね。この事業が住民にとっても白川村にとっても良いものになっている気がします。これからもご活躍を応援しています。本日はありがとうございました!」
白川村のお買い物環境について、5年前とあまり変化がありませんでしたが、「駿河屋スーパーカー」は地元住民に浸透し、なくてはならないサービスの1つになりつつあると感じました。
もちろん1時間~2時間車を走らせ週に1度大量に買い物を済ませるという手段もありますが、毎週これができるとは限らないですし、筆者個人的にはやりたくないです。
そのため、こうした移動販売車の存在が、地方の買い物手段の多様化につながるのではないかと思います。
ありがとうございました。