一時の避難先のはずが居心地よく定住を決意 海の街から山の街にやってきた4児のママに聞いてみた

こんにちは(^-^)/
生まれも育ちも
岐阜県高山市の恵子です♪

 

私は今、
NPO法人 飛騨高山わらべうたの会
乳幼児親子達との交流や託児等の
子育て支援に携わっています(^^♪

イベントの様子

 

わらべうたの会のスタッフ達は、
出身地がバラバラ。
私のような根っからの地元民だけでなく、
移住者も多数、所属しています。

 

 

2011年3月の東日本大震災をきっかけに
宮城県女川町から高山市に
家族で引っ越してみえた
末永理香(すえながりか)さんも
その中の1人。

 

 

ある時は、
わらべうたの会スタッフ、
また、ある時は、
福祉施設の就労支援スタッフとして働く傍ら、

お子さんを4人(小6長女・小4長男・3歳次女・2歳三女)
育てる4児のママでもあります。

 

自身の子育て経験を活かし、
ママ達の話し相手や託児、
時には私の相談相手になったりと、
とっても気遣いができる優しい理香さん♪

そんな素敵な彼女に
取材の依頼をすると、
快く引き受けてもらえました(^o^)/

 

 

実はただの一時避難先だった!?

 


では、まず、なんで高山へ
引っ越してきたのか教えて下さい!

 


引っ越しというよりも
宮城県に住んでた時に震災に遭い、
避難所から一時避難で来た感じでした。
 

 

私達夫婦、2歳の長女、2ヶ月の長男、両親、祖母の
家族7人で住めるところがあったから、
とりあえず来ました。
高山市は、被災者受け入れの準備が
早かったと思います。

私達は移住者より被災者の扱いで
色々、厚遇してもらってました。

高山市からは
被災者の集まる機会を設けてもらったり、
最初は新品じゃないけど家電製品や寝具、
日常生活に使える物等を
集めてもらったりしました。

 


始めは一時避難だけのつもりだったんですね。
移動距離や時間は、どの位?

 


山形県→新潟県→富山県を通過して、
移動距離は、片道650キロ。
車で9時間位かかりました。

 


650キロ!?9時間(゚д゚)!
高齢者と小さい赤ちゃん連れての移動、
大変でしたね(汗)

 
 

高山市に来る前と住んでみての印象

 

高山に来る前の印象は?

 

高山が日本のどこにあるか、
わからなかった(笑)

 


実際に住んでみて、
どうでしたか?

 


住んでるうちに子どもを育てるのに、
高山は最適と思うようになりました!
居心地がいいのと、
子育てしやすい環境が、
すごくいいです!

 

 

海の側で育った私には、
山に囲まれて自然いっぱいの環境は
すごく刺激がたくさんあります。

 


住んでるうちに高山が
好きになったんですね。
すごく刺激がたくさん!?
例えば…?

 


イオンや大型商業施設がない代わりに、
山で薬草や山菜採り、

 

夏は川で遊び、

冬は雪遊び!

 

それこそ高山に来て
「はばき」「座布団そり」は
初めて知りました。

※子ども達の雪遊びについては
こちらでも紹介しています。

 


高山では、「はばき」は、
ちびっこの必需品やもんね(笑)
宮城は雪があまり降らない地域だったんですか?

 


東北は、雪が多いイメージを持たれる事が多いですが、
宮城は雪あまり降らないし、
降っても潮風で溶けちゃいます。
その代わり、雪がないのに凍結してたので怖かったです。

 


へぇ~、東北は雪深いイメージでしたが、
雪降っても潮風で溶けちゃうんですねぇ。

 
 
 

高山での苦労や葛藤

 


高山に住んでから苦労した事や葛藤した事は?

 


はじめはどこに何があるかもわからない、
車も1台しかないアウェイな感じで、
どうしていいかわからない毎日でした。

 


他の地域への引っ越しや宮城に戻る選択肢は?

 


他の地域への引っ越しは全然考えませんでした。
引っ越しするなら宮城に戻る位かなって。

でも当初は一時避難的にと思ってましたが、
私は高山が気に入り、
このまま住んでもいいと思いました。
実家や親族がいる宮城に帰りたい旦那と、
もめる事もありました。

 

 

なるほど!
旦那さんは住み慣れた宮城に
帰りたかったんですね。

理香さんのお父さんやお母さんは?

 


父と母は高山に来る決断は、
私達に話す前から出来てましたし、
私の方がなかなか避難所から離れる事や
友達と離れる事が名残惜しい位でした。

 


家族会議とかしたんですか?

 

家族会議って程の事はしてませんが、
ご飯を食べながら話したり、
自然な流れでって感じかもしれないですね。

ずっと住むつもりだったかは
始めはそうじゃなかったかもしれませんが、
あの時は家族7人みんなで避難所から移動しよう、
7人一緒に住めるところへって感じだったかもです。

 
 
 

衝撃を受けた照りのない みたらし団子

 


じゃぁ、食べ物はどうでした?

 


食べ物は…
煮物だって思って食べたら、
煮たくもじ(菜っ葉の漬け物を塩出して煮た料理)で、
漬物嫌いな私には衝撃でした。
ホヤも知らない人が多くてビックリ。

 


東北=漬物好きなイメージが勝手にありました(笑)
確かにホヤ知ってるけど、食べた事ないかも。

 


それから、家族みんなが、
みたらし団子に衝撃を受けました!
今では普通に食べますが、
照りのないみたらし団子って
なんだ!?って不思議でしたよ。

 


衝撃的な照りのない、みたらしだんごを
今では焼く事もできるようになって、
立派な高山人(たかやまじん)ですね\(^o^)/(笑)

高山のちびっ子は、
お昼ご飯(おにぎり)代わりという事もある位に
イベントにも欠かせないソウルフード♪

 

 

飛騨弁は柔らかい関西弁!?

 


飛騨の話し言葉、飛騨弁
(高山市、飛騨市、下呂市、白川村で使われる方言 ※地域によって多少の違いはあります)
はどうでした?

 


食べ物も方言も違う…
初めは環境に慣れるか心配だったけど、
家族7人でいた事は心強く、
「住めば都」で、
今は飛騨弁を話してる自分がいます(笑)

「〇〇やもんで」「〇〇やさ」「〇〇やろ」
言葉が柔らかい関西弁みたいな感じって
最初に思いました!

  • ちゃんちん(座る/小さい子に向かって使う言葉)
  • おねる(背負う/ランドセルをおねる)
  • あおにえ(青あざ)
  • はんちくたい(むかつく)
  • かわいいなぁ
    (可愛い・可哀そう/前後の話を聞かないとわからない)
  • 明日、明後日、ささって、しあさって
    (飛騨地方では、しあさっての前に入る)

あげればキリがないですね(笑)

 

 

  • ランドセルをおねる
  • 机をつる(机を運ぶ)

は保育園や幼稚園、学校で
子ども達が自然と覚えてきますね(笑)

あと目の前で子どもが転んで、
「きついなぁ」って言ってるのを聞いた人から、
どういう意味か聞かれた事があります。
転んだのに泣かないなんて、
えらいぞ・強いぞ!みたいな感じですかね~
あと、しんどい時のえらい~も飛騨弁ですね(笑)

 

きっついなぁは、
しょっちゅう聞きますよ(笑)
「ばあちゃん、きっついなぁ」って、
よく言われますが、
元気だなって事ですもんね。
宮城では強い感じの人の事を性格が
キツイって言います。

飛騨の人の1番好きなところは、
「ありがとう」と、
どんな時も年齢関係なく言えるところ!!
本当にステキだなって思います!

 


「ありがとう!」
確かによく言うし、
言われる事も多いかも!

 


「ありがとう」と
「ごめんなさい」を
いつでも畏まらず言えるって
本当に素晴らしいですよ!

 
 
 

ありがたい「ご縁」に感謝

 


じゃぁ、特に印象深い出来事は?

 

新聞で、避難してきた私達の事を知って、
会いに来てくれた高山市民の方がいました。

その方は数年前に亡くなりましたが、
今でも、ご家族と交流したり、
飛騨で出会った方々との繋がりは
本当に、ありがたいご縁だなって思ってます。

 


新聞を見て、わざわざ訪ねてきて下さった方が
いらっしゃったんですね。
今でも交流が続いてるなんて
素敵なご縁ですね~。
具体的に、どんな交流を?
 

自分の家に招待して下さったり、
高山市内を案内して下さいました。
 
 

他の方も野菜や山菜持ってきてくれたり。
近所の方以外とも
そういうお付き合いができるのは
本当にありがたいです。

でも一番は子どもがいない夫婦の方が
私達が土日も仕事で子ども達をみれない間、
1日預かってくれたりって事を
今でも時々してくれるので、
「感謝」しかないです。

 

そういう関係を築けるって
本当に嬉しいですね♪
飛騨流の
お・も・て・な・し、ですね~
 
 
 
 
 

事前に知りたかった冬の光熱費と空き家事情

 


ありがたい福祉サービスは?


医療費が中学生までかからないって事とか
宮城の住んでたところと同じような対応で助かりました。
http://www.machidukuri-hidatakayama.com/sonotaijyuusien/kosodatesien/
 
 

宮城でも、中学生まで医療費無料だったんですね~
子どもはすぐに体調崩すから安心して、
病院にかかりやすいのって、
本当にありがたい事ですね!
 
 

あとは、家賃補助。
中古の一軒家を5年前に購入するまで、
借家(雇用促進住宅)の家賃補助を受けてました。
(震災で避難された方が対象のものです。)
(移住促進|高山市)

ただ家賃補助はありがたかったのですが、
それ以上に冬の光熱費が高くなるって事も
1年目でビックリして…。
そういう事も踏まえて情報があったら良かったなって。

 
 
ただ家賃補助が出るではなく、
貸家の情報も、もっとあるといいですし、
誰も住んでない空き家も活用させてくれると
いいのになって思いました。
 

そうですねぇ~。
外気温がマイナスになる事もある高山では、
寒冷地仕様のエアコンの暖房の電気代や
灯油ファンヒーターの灯油代…と、
冬の光熱費は、
どうしても高くなっちゃう。
 

事前にわかってたら
ありがたかった情報ですね。

という事は、
経済メリットよりも
高山の環境を気に入って
住んで下さってるんですね。

 


その通りです!
経済状況を考えれば
暖かい所に住んだ方がいいって思いますが、
自然だったり、人柄だったり
高山の住み心地が良くて住んでます!
 
 
 
 
 

これからの高山に望む事



これからの高山に望む事は?

 


高山は神社も多いし、
お寺も多く、
ちゃんと地域の人が守って
大事にしてるなぁって思います。


高山は飛騨の小京都って言われてるし、
祭りや地域の行事は
これからも大切にして
受け継いでいって欲しいですね。
 
 

そうですね。
神社や町内の事など、
昔ながらのやり方を
大事にしてる一方で、
もっと皆が住みやすい新しい事への取り組みも
やってほしいなって思います。

今、住んでる地域は、月額3600円。
町内会費が結構かかる事と、
班長以外にも、お祭り等の行事や、
町内清掃、子ども会等の
役(係)がまわってくると大変。
時間的にも経済的にも負担があまり
かかりすぎないような工夫が必要かなって。

 


山に囲まれてるからか、
昔からのままとか
保守的な考えが根強い地域かもしれません。

町内会費は、町内によって差があるみたいですね。
ちなみに、私の住んでる地域は、月額2500円。

行事の前後に、寄り合いという名の飲み会があったり、
交際費もかかったりしますね。
今はコロナ禍で、なかなかできないけど、
一緒に呑む事で、コミュニティを広げたり、
親密度が増したり…。

最近は班に入らない方も結構いるのですが、
地域行事に参加できないし、
家族構成がわからなくて、
寂しいなって思ったりもします。

 
 
 
 

移住を検討される方に…

 


では、最後に移住を検討されてる方に
一言お願いします!

 


移住前に春と冬どっちも高山を見て、
自然が魅力的な高山を知ってほしい!
高山にはステキな人達がたくさんいますよ!



質問にたくさん答えてくれて、
ありがとうございました!

 

 

快く取材に応じてくれた理香さん。
「わらべうたの会に入り、
恵子さんにも再び出会えて、
高山に来て良かったって思える毎日です」
なんて嬉しい事を言ってくれました(〃▽〃)

実は10年前に既に会っていた理香さんと私。

昨年、理香さんのお子さんの託児をさせてもらった事を
きっかけに再会し、現在は同僚。
理香さんと、不思議なご縁で繋がっていたと
思わずにいられません。

飛騨あるあるなのですが、
知人同士が繋がっていたり、
初対面のつもりで話してたら、
実は既に会っていた事がわかったり、
やっぱ飛騨は狭いんやなぁって思う事がよくあります。

一時の避難先のつもりで高山にやってきた、理香さん家族。
改めて家族で一緒に過ごす環境や時間の大切さを
知った理香さんは、
高山で子育てをするうちに、
高山を気に入り、
定住を決め、家を購入しました。

4人のお子さんは、
自然が多い高山で
元気いっぱい成長しています。

高卒で地元就職して、そのまま高山に住んでいる
飛騨地域を出た事がない私にとって、
当たり前の日常が、
実は素敵な毎日だったと
改めて気付かせてくれた、
理香さんに感謝です(^^♪

そして、お子さんがみえるご家族に
改めてお伝えしたいのが、
理香さんと私が所属する子育て支援団体、
NPO法人飛騨高山わらべうたの会。

(コロナ禍前の写真です)

 

色々な地域から集まったスタッフが
高山市が子育てしやすい街になるように、
ママ達やお子さん達が笑顔で過ごせるように
活動しています(^_-)

その他にも飛騨地域には、
子育て家庭を応援する活動をしてる方々がたくさんいて、
HPで紹介しています♪

詳しくはわらべうたの会HPをご覧下さい。
https://hidawarabe.org

大志多恵子
大志多恵子

1979年高山生まれ高山育ち。飛騨高山が好きで、高卒後、そのまま地元就職。現在は6年生になる息子と2年生になる娘と夫、父母の6人暮らし。親子で参加したイベントがきっかけとなり、NPO法人飛騨高山わらべうたの会のスタッフに。ぎふ木育ひろば兼高山市つどいの広場チャイルドランドで子育てコーディネーターとして主に乳幼児の親子と交流や、託児業務(子育て支援員研修を受講)等の子育て支援に携わっている。趣味はウクレレ♫
■NPO法人飛騨高山わらべうたの会 https://hidawarabe.org

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