結婚を機にご主人の実家のある高山市へ移住した岡野さんに、
高山市の「移住のいろいろ・子育て環境」について、本音を聞いてみました。
☆岡野 杏理(おかの あんり)
関西出身。7年前、結婚を機にご主人の実家・高山市へ移住。
訪問介護の仕事をしながら、2児のママとして子育てに奮闘中。
最近は、一般社団法人体力メンテナンス協会 認定バランスボールインストラクターとしても活躍中。
私は、大阪の梅田周辺で育ち、関西は出ないと思っていました。
寒いところも嫌いなので、まさか高山のような“雪国”に住むとは思ってもみなかったです。
主人の生まれ育った高山市には、結婚前に観光で2回遊びにいった程度で、日ごろ都会のど真ん中にいるので「ゆったりして良い所だなぁ~」と知らない場所なのに、“懐かしい感じ”を覚えました。
それもあって不安もあったけど、楽しみの方が大きかったです。
・観光地
・食べ物
・遊ぶところ
・人口
何より“木の多さ”にはびっくり!!
高山市は、日本一広い市(東京都とほぼ同じ大きさ)ですが、そのうちなんと92%が森林なんです。
知り合いが1人もいなくて寂しい!
来てすぐに妊娠、つわり…
唯一の知り合いの主人は日中仕事で夜も遅い。
大雪の降る12月に引っ越してきて、氷点下…めちゃくちゃ寒い。
観光で来た時は季節の良い時で、実際住んでみると全然違う。
まだその時車は1台で、主人が仕事で乗っていくとどこにも出かけられなくて、アパートに引きこもるしかなかった。
ワクワクだった移住前が嘘のように、移住後は本当にさみしくて「孤独との闘い」でした。
夜になるといつも1人でお散歩…
誰も歩いてなくて、高山市は夜、出歩いちゃいけないのかと不安になって、夫に電話したら笑われたのも、今では笑い話です。
当時はまだ飛騨を知らなかったし、コミュニティもなかったです。
今は、「ヒダマミー」「ひだっちブログ」を見て、興味のあるイベントには自分から参加できるように変わりました。
・Hidamommy ヒダマミー
・ひだっちブログ
出産後は特に家にこもりがちになり、1日に話すのは主人だけ。
主人も、仕事で夜遅く疲れておりあまり話もできず…
“何で誰もわかってくれないんだー”
と新婚なのに、夫婦関係も悪化してきて、この時は本当に悲しくて八方塞がりでした。
“このままじゃダメだ!!”
健診の時、たまたま見たコラムで
ママが集まれる場所「高山子育て支援センター」の存在を知れたのが、
「運命の転機」でした。
おもちゃがあり、先生がとても優しく話を聞いてくれ、飛騨弁も心地よくて。
それから毎日通うようになると友達もできて、苦しかった1年から救われたんです。
高山子育て支援センター
https://www.city.takayama.lg.jp/shisetsu/1004139/1000030/1001463.html
自分から新しいところにいけなかったのが、今では人との出会いが楽しみになるくらい、積極的に行動できるように変わりました。
高山市は、人との繋がりが濃くて“人のあたたかさ”を感じれる場所。
自転車で通りすがった見ず知らずのおじいちゃんが
「ママ頑張れよ~」と応援してくれたり、
地元スーパーではレジでカゴを運んでくれたり、
「かわいいなぁ~」と飛騨弁で気軽に声をかけてくれる。
車社会の高山市でまだ車を持っていなかった私…バスは1時間に1本。
見知らぬ土地で知り合いもいない中、出産する病院を探すのもとても大変。
そんな時、主人の友人のお母さんが、高山市内の病院を全部回ってくれ、病院選び・健診まで付き合ってくださり、本当にありがたかったです。
この“人のあたたかさ”は、都会ではなかなか感じにくいものだと感動しました。
高山市は、人との繋がりが強い町。小さい頃からの絆が強く、歩けばみんな知り合い。
ママ同士も昔からの友達で、県外からきた私は入りにくい…と思っていたけど、すぐに仲間に入れてもらえたのは嬉しかったです。
支援センターで出来た友達と他の交流場所へ出かけられるようもなりました。
そこでの会話から、訪問介護の仕事も決まりました。
子供を預けるのに抵抗はありましたが、働き始めてよかったと感じています。
子育てでずっと家にいたのが、社会との関わりがもてるようになって、心のバランスがとれてきました。
訪問介護のおじいちゃん、おばあちゃんから
飛騨弁や伝統的なおやつの作り方など教えてもらい、高山市の事がどんどん好きになっていきました。
〈飛騨弁〉
やわう → 準備する
おねる → 背負う
かわいいに → かわいそう、大変
知らないと意味がわからなかったり、勘違いすることもあったり、笑われることもありました。
・とにかく自然がいっぱいで、季節を感じられるし、空気もおいしい。
・人との助け合いや繋がりに助けられる。
・生活圏がコンパクトで、スーパーや公園など必要な施設が近くにある。
・子供達が、自然と共にのびのび育っている。
家の玄関で、天然記念物のカモシカに遭遇した時は驚きました!
わりと群れでよく現れるみたいで、こんなこと都会ではなかなかないですよね。
一家に一つはテントがあり、公園や河原、お家のお庭でもBBQしているのをよく見かけます。
BBQの時に、名物のみたらし団子を焼くのも高山市ならでは!
高山市のみたらし団子は、甘くないんです!しょうゆベースで米粉の団子。
最初は驚いたけど、今では子供も大好きなおやつです。
団子屋さんも優しくて、子供にはしょうゆを薄くしてくれます。
都会に比べて、子だくさんの家庭が多いようにも思います。
出産お祝い金や保証が手厚いのもありますが、
周りの大人が子供達を見てくれる安心できる環境だからかなと感じています。
コロナ禍で県外にはいけなくても、イベントもたくさんあり、自然豊富で遊ぶところも多いので、十分高山市で楽しめています。
・交通の便が少なく、車がないと生活できない。
・車中心の町並みで、ベビーカーで歩きづらく、歩行者・自転車は通りにくい。
・空港がないので、実家に帰るのが大変。子連れで長時間の交通機関に乗るのは難しい。
・アルプス展望公園スカイパーク
https://www.takayama-gh.com/tabaru/article/skypark/
・飛騨の里
http://www.hidanosato-tpo.jp/top.html
・原山市民公園
https://hida-takayama.site/harayama/
・四十八滝
https://www.48taki.com/waterfall/index.html
パンを買って、公園で食べたり自然を感じながらゆったり過ごすのがおすすめ!
カフェや雑貨屋さんでのんびり過ごすことが多いです。
・ひぐらし
https://www.the-higurashi.com/the-higurashi/
・櫟(いちい)
https://cafeichii.shopinfo.jp/
・コクリコ
https://coquelicot2.hida-ch.com/
〈春夏秋冬〉
春…臥龍桜(樹齢1100年)。荘川のそばを食べに行く。
夏…清見に虫取り、川遊び
秋…せせらぎ街道で紅葉散策
冬…雪山でそり遊び
保育園で、夏は銭湯の無料券、冬はスキー場のリフト券をくれるんです。
ちなみに銭湯では、子供に牛乳を無料でくれることも!
大きな病気をした時に、周りの皆さんの温かい声に励まされ、乗り越えることができ、
都会では考えられない声かけやフォローに本当に救われました。
その後、順調に回復し第2子を授かり出産して
産後ケアのイベントに誘われて行ったのが“バランスボールエクササイズとの出会い”
【バランスボールエクササイズ】
赤ちゃんを抱っこしてでも出来て、室内でも行える気軽な有酸素運動です。
ボールに座り、はずむだけで骨を本来の位置に戻し、骨盤が整っていきます。
筋力もついて、子育てするのに必要な体力を同時に身につけることもでき、さらに気力も沸いて心のバランスも整えてくれるエクササイズです。
実際に体験してみて、初めて“体を動かす楽しさ”を知り、体だけでなく“心までかるくなった”ことに感動し、レッスンに通うのが楽しみになりました。
「私が救われたように、病気や産後の辛さに苦しんでいる人達のお役に立ちたい!」と
介護の仕事をしながら、インストラクターの資格をとりました。
この頃から、周りの人から“何か変わったね”と言われるようになって
今では、職場の皆さんも応援して下さっています。
最初は不安がありましたが、思い切って1歩を踏み出せばいろんな楽しみ方があります。
飛び込むことが大の苦手だった私が、いろんな幅広い世代の人と出会えたおかげで、
今ではどこでも飛び込めるように!
「今の自分が一番好き!」
そう胸をはって言える自分になれたのが嬉しくて、高山市に移住して本当に良かったです。
どこかに移住を…と思ってる方は、一度「高山市」へ来てみてください。
自然も多く、移住者も多く、交流といろんなチャレンジができる町。
チャレンジを応援してくれたり、アイディアをくれたり、きっと今より選択肢の幅が広がって、新しい自分に出会えるかもしれません。
これも地元のおじいちゃん、おばあちゃんが高山市の伝統を守ってくれてるから。
「私、高山市が大好きです」
こんなに高山市、自分の事も大好きになれたのは飛騨地域で出逢った皆様のおかげです。
これからは“バランスボールエクササイズでのカラダづくり”を通して恩返しをしていきたいです。
そう熱く語る岡野さんのキラキラ輝いた瞳が印象的で、改めて「高山市」の素晴らしさを再認識でき、幸せをおすそ分けしていただきました。