一昨年から、グッとくる飛騨のライターとして活動している田中晃子です。私は飛騨出身ですが18歳でいったん地元を離れ約24年間飛騨の外で過ごし、今から3年前にUターンしてきました。
取材を通していろんな人と出会う中で、「人々はどんな時に移住〔Uターン含む〕を考えるのか」ということにとても興味が湧いてきました。
そこで今回の記事では私が「すみか」を変えたように、飛騨で生きていくと決めた60代前後の方々に焦点を当てアンケート調査を行い移住までの経緯をうかがいました。
きっかけは何だろう。結婚、就職、ご家族の都合、夢ややりたいことのため。
6組の皆さんにお話を聞くと、様々な物語がありました。
移住期間ごとにまとめましたのでご覧ください。
◎飛騨に移住するまでに住んだ地域は?
⇒2カ所(名古屋市34年⇒北名古屋市20年)
◎移住を考え始めたのは何歳ころですか?
⇒50歳代
◎移住を考え始めたきっかけは?
⇒50歳を過ぎた頃から親しい人が次々と大病を患った。(癌、脳出血、糖尿病など)自分や母が健康に暮らしていきたい、親しい人達にも健康に過ごしてほしいと思い、温泉に近くて寛げる空間で民泊を始めて、自給自足に近い生活をしたいと思ったから古民家物件を探すことを決めた。
◎飛騨に移住を決めるまでに他の候補地はありましたか?
⇒飛騨のみに決めていた(特に下呂市に決めていた)
◎飛騨を移住先に決めた理由はなんですか?
⇒下呂が好きで年に2~3回旅行に来ていたから。良質な温泉も車で行ける範囲にたくさんある。民泊を始めるのに名古屋や岐阜、北陸や関西方面からも距離感や交通手段がほどよく、外国人観光客を迎えるのに魅力的な商材に恵まれている。下呂市の小坂町に理想とする古民家があったので決めました。
◎実際に移住して最初に感じた事はなんですか?
⇒自然豊かな生活は心も豊かになる。空気は美味しく空も近くに感じる。貴重で希少な高濃度炭酸泉「ひめしゃがの湯」まで車で5分のところにある。毎晩入浴できこれほどの贅沢なことはない。近隣住民の皆さんがとても親切で明るい人が多く、田舎は排他的では?との心配はすぐに払拭された。困った時は手を貸していただけるので助かります。移住して1年未満ですが随分昔から住んでいるようにすっかり地域になじんでいます。
◎今の思いやこれから移住を検討している方へアドバイスはありますか?
⇒私の住んでいる飛騨小坂は人も良く畑作りにも最適な気候の土地柄です。毎晩、良質な温泉に入れることで健康になります。入浴の他、ひめしゃがの湯の飲泉を入浴前後に習慣化する事で月1kgずつ体重が減り、10ヶ月でマイナス10Kgと健康的に痩せ体調もすこぶるよくなりました。病院、スーパー、コンビなどもさほど遠くないところにあるので安心便利に生活できるところだと思います。意外と移住して起業なさっている方も多く、下呂市商工課の方々も親切です。創業者セミナーに参加してよい出会いもありました。
◎私のお気に入り
◎飛騨に移住するまでに住んだ地域は?
⇒6カ所(川西市5年⇒伊丹市15年⇒久居市5年⇒神戸市15年⇒大阪市3年⇒岐阜市17年)
◎移住を考え始めたのは何歳ころですか?
⇒50歳代
◎移住を考え始めたきっかけは?
⇒定年後の人生を意識したときに何をして生きたいかを考えました。
◎飛騨に移住を決めるまでに他の候補地はありましたか?
⇒飛騨のみに決めていた
◎飛騨を移住先に決めた理由はなんですか?
⇒自然が多く山が好きだから・文化歴史があるから・ほどよく田舎だから・雪深いから
畑仕事がしたかった・ゴミゴミしていなく広々とした地域に住みたかったから
◎実際に移住して最初に感じた事はなんですか?
⇒のんびりと時間が過ぎていきます。長生きしそう笑
◎今の思いやこれから移住を検討している方へアドバイスはありますか?
⇒自分でリフォームしながら日々過ごしているのであっという間に一年が経ちました。地域の行事は一通り経験したので今年からは効率よく行っていく方法を考えられそうです。移住者にもみんな親切にしてくれてのんびり人生を考えたい人にはうってつけだと思います。多分物価も名古屋や岐阜市よりはるかに安いです。特に野菜。
◎私のお気に入り
リフォーム中の我が家
◎飛騨にUターンするまでに住んだ地域は?
⇒6カ所(下呂市〔旧益田郡小坂町〕15年⇒大垣市3年⇒京都市4年⇒岐阜市⇒5年⇒各務原市2年⇒本巣郡北方町約30年)
◎Uターンを考え始めたのは何歳ころですか?
⇒50歳代
◎Uターンを考え始めたきっかけは?
⇒両親の高齢化
◎飛騨に移住を決めるまでに他の候補地はありましたか?
⇒飛騨のみに決めていた
◎飛騨を移住先に決めた理由はなんですか?
⇒生まれた実家があるから
◎実際に移住して最初に感じた事はなんですか?
⇒買い物できる場所が限られており不便だと思った。またお酒を飲んだ時の帰りの手段が限られていること
◎今の思いやこれから移住を検討している方へアドバイスはありますか?
⇒飛騨は僕の生まれ育った場所ではありますが、再び住むようになっただけではなかなか人とのつながりは生まれないと感じました。「何か属している団体はありますか?」の質問にもあったように地域の役をやったり趣味の集まりに参加したり何かに自分から関与していかないと人との繋がりは生まれてこないし飛騨の良さや温かみもなかなか実感できないのでいろんな事に参加していくことが大事だと思うようになりました。
◎私のお気に入り 地域のお祭りと家の前を流れる川
2018年(平成30年)4月1日撮影
3月には永年住み慣れた本巣郡北方町の住居を引き払い、下呂市小坂町に住み始めたまさにその第1日目に、地元の津島神社の例祭に初めて役(「四神旗」)をいただいて参加しました。図らずも、移住した第1日目に、ここで新たな生活を始めていくことを実感させられるとともに、自分のなかで腹を固めた日ともなりました。
(いずれの写真も中央付近でこちらを向いているのが僕です。)
◎私のお気に入り2
2020年(令和2年)1月18日撮影
家の2階のベランダから撮影した小坂川(飛騨川の支流)です。何の変哲もない川ですが、50年前の記憶と重ね合わせると様々な思いが頭のなかを巡ります。(50年前の記憶を画像でお見せできないのが残念です。)小さい頃からずっとその移り変わりを見てきたことになります。写真中央周辺は浅瀬であることが分かると思いますが、小学生の頃はその辺りで泳いでいました。その頃はそこそこ深かったのですが、川筋も変わり、今ではその片鱗もありません。これからはこの川を毎日見ていくことになります。
◎飛騨に移住するまでに住んだ地域は?
⇒1カ所(京都市)
◎移住を考え始めたのは何歳ころですか?
⇒60歳代
◎移住を考え始めたきっかけは?
⇒娘が飛騨の男性と結婚したため
またゆっくり仕事がしたいと思った
◎飛騨に移住を決めるまでに他の候補地はありましたか?
⇒飛騨のみに決めていた
◎飛騨を移住先に決めた理由はなんですか?
⇒娘家族がいるから
◎実際に移住して最初に感じた事はなんですか?
⇒素朴な人が多い
◎今の思いやこれから移住を検討している方へアドバイスはありますか?
⇒旦那さん
「水道が美味しい。3000m級の山から頂く風やお水の恵みに感動している。高山に来たばかりの頃、雨の日車がきれいになって驚いた。移住してから4年車を洗ったことないくらい空気や水がきれい。パン屋を営んでいるがおいしいパンが作れる。温泉がいい。毎週通いたくなるほど(特にしみずの湯)その近くに湧き水があってそこも美味しい。
人なつっこい方が多い。歴史があり豊かに暮らしている地域だと感じる。
移住してみて思ったのは「こんなものか」ということ。正直、移住という感覚はなく、娘が嫁いだから飛騨に来た。移住に勇気は必要ないと思う。幸い私には手に職があって行動力もあったからできた事。移住時69歳(現在72歳)のおじいさんでもできるよ。」
奥さん
「東京に引っ越すとなったら、勇気も必要かもしれない。飛騨高山は(移住)できるよ」
◎私のお気に入りの場所 お店にて
◎飛騨に移住するまでに住んだ地域は?
⇒1カ所(大阪市)
◎移住を考え始めたのは何歳ころですか?
⇒68歳代
◎移住を考え始めたきっかけは?
⇒退職を機に
◎飛騨に移住を決めるまでに他の候補地はありましたか?
⇒飛騨のみに決めていた
◎飛騨を移住先に決めた理由はなんですか?
⇒知人がいたから・自然が多いから・文化歴史があるから
◎実際に移住して最初に感じた事はなんですか?
⇒景色も空気も人情もよかった
◎最後に移住して思うことやこれから移住を検討している方へアドバイスはありますか?
⇒交通の便(特にバス)は悪いですよ。
◎私のお気に入りの場所 「御嶽山」2020年元旦の日の出 (鈴蘭峠から撮影)
◎飛騨に移住するまでに住んだ地域は?
⇒結婚後3カ所(一宮市2年⇒江南市2年⇒各務原市30年)
◎移住を考え始めたのは何歳ころですか?
⇒50歳代
◎移住を考え始めたきっかけは?
⇒夫が定年退職後ふるさと(下呂市)に戻るというのでついてきました
◎飛騨に移住を決めるまでに他の候補地はありましたか?
⇒飛騨のみに決めていた
◎飛騨を移住先に決めた理由はなんですか?
⇒(夫の)生まれた実家があるから
◎実際に移住して最初に感じた事はなんですか?
⇒何かと不便に感じた(交通・買い物など)
◎今の思いやこれから移住を検討している方へアドバイスはありますか?
⇒住めば都と申しますが、自然の素晴らしさ、食べ物の美味しさ、人の心の温かさを感じて日々生活しています。満点の星空、空気が澄んでいて晴れた日の夜に見る星空は格別です。
◎私のお気に入りの場所 リビングや庭からみえる御前山
眺めていると心が和みます
「6人6様」読んだ皆様はいかがでしたでしょうか?
お願いした4枚のアンケート用紙から、今日に至るまでの人生がありありと読み取れる内容だと感じました。飛騨という地で生きていくという生命力が伝わってきて励まされたと感じたのはきっと私だけではないはず。
今回の取材とアンケートで、何歳からでも移住はできると確信しました。
そして面白かったのが6名すべて「移住の候補地は飛騨のみ」というかたばかり。
これって偶然?いや必然!
移住を決断するときって、ほんとに自然に来るんだろうなと自分の経験と照らし合わせて思いました。
グッとくる飛騨では、移住検討者のためのイベントを東京や愛知で開いたり就職先のご紹介をしています。
移住された方のためのイベントは飛騨各地で「移住者で○○をする会」と題し定期的に開催しています。情報収集や、人の繋がりのための場としてぜひご活用ください。