[Vol.01]子育て移住を選択した木村さんと、ご近所さんの関係

ご近所さん : 田口さつきさん

ご近所さん : 田口さつきさん

世界遺産で有名な白川村の荻町。そこから20分ほど進んだところに、平瀬と呼ばれる地区がある。通りには温泉宿がぽつりぽつりと点在し、荻町とは対照的に、ひなびた雰囲気をもつ民家が並ぶ。このまちに住む田口さんは、高山市荘川村出身。自身も結婚して平瀬に移住してきたということで、少しずつ地域との関係をつくってきたそうだ。そんな田口さんに、木村さん一家が移住されたときのことを聞いてみた。(※木村さんについての記事はこちら)

隣に越してきた木村家が、地域との関係性をつくるまで

「すぐ隣に移住者が来るという話を聞いたときはびっくりしましたよ。大阪からどうして不便な平瀬に、いいのかしら?という感じです。協力隊の方から事前に話は聞いていたものの、実際に越してくるときまでは、どんなご家族なんだろうと思ってました。実際に越してきてからお会いしたら、お子さんがまだ小さくてかわいくて・・・私だけじゃなく地域の方はとても喜んでくれていましたね。田舎ということで地域行事も多いのですが、木村さんたちは家族で積極的に参加してくれるし、とても気さくな方だったので、すぐに溶け込んでくれたように思います。」

田口さんは隣の高山市荘川村から平瀬に来て10年が経つ。平瀬に嫁いで驚いたのは、祭りをはじめとした地域行事の多さだという。人口も少ない分、何をするにも近所で助け合って行事を行う必要がある。荘川村にいたとき以上に地域の人の繋がりは濃く、最初は戸惑うことも多かったそうだ。しかし、子どもが生まれたのをきっかけに、徐々に地域のお母さんたちと繋がりを深めることができたと話す。

「木村さんがやって来た当初、この地区の保育園には男の子しかいなかったんです。だから、娘さんのリコちゃんが入園してくれたときは、みんなが『女の子だ~!』と大喜びでかわいがってましたね。取り合いじゃないけれど、男の子みんなが手をつなぎたがったり 笑。木村さんと他のお母さんたちが同年代ということもあってすぐに仲良くなって、やっぱり子どもが関係性を広げてくれたのかなと思います。自然の中でみんながすくすく育つのを見ると、人数は少ないけれど良い環境だな、と感じますね。」

最高の環境で子は育つ

「子育て環境はいい方だと思います。保育園の待機児童はまずないですし、特にこの地域だとみんな顔見知りなので、安心して子供を外で遊ばせられますね。子どもたちも、みんなそのへんで遊び方を見つけてくるので、たくましく育つし気楽ですよ。

木村さんは都市部での子育てで大変なようだったので、町なかではなく、平瀬を選んでくれたのは良かったのかなと思います。まちとも違って静かな場所ですし、人口も少ないですが、そういった場所で子育てをしてみたい、という方であれば大歓迎です!」

白川村では、2017年4月から、小学校と中学校をひとつの学校とした「義務教育学校」という制度をスタートする。小中学校が統合されることで、学校独自のカリキュラムを組めるだけでなく、小学生から教科担任がつくなど新しい取り組みも多い。待機児童がいないということだけでなく、小さなコミュニティであることが、教育に対しての大きなアドバンテージとなっているようだ。

みんなと集まって喋って飲んでというのが、一番の娯楽

「木村さん自身はママ友の輪にもすんなり入ってくれたので、この前は村のみんなで女子会をやりました。同じママ同士ということで、みんなで集まるときは必ず声をかけますね。白川村にはないものも多いのですが、ママ友ネットワークでどこの病院がいいとか、子どもの習い事の相談とか、みんなで共有しています。不便さもあるけれど、みんながいるから楽しんで暮らしていけているのかな。派手さはないけれど、ここに来てよかったと思いますよ。

正直なところ、木村さんたちも本当によくこんなところに来たなぁーという感じがしますが 笑。無理はせず、できるところはやるという精神で、平瀬での暮らしを楽しんでもらえたらと思います。そして、良いところに来たな、といつか感じてもらえたら嬉しいですね。」

平瀬地区での子育ては、都市部での悩みとは無縁のように思える。子どもたちは自然の中で自由に育ち、親は子どもを外で遊ばせることに不安がない。世界遺産ばかりが注目されがちだが、ここには、ふつうの人たちが気持ちよく暮らしていける場所がある。次回訪れるときは、観光だけではない、白川村の暮らしを見つけてみてはどうだろうか。

小さなコミュニティで子育ても安心

白川村への移住をお考えの方はこちら