Gerobal Hostel

森井 浩貴さん

日本三名泉のひとつとして名高い下呂温泉で知られる下呂市。ここに2016年2月に新しいゲストハウスGerobal Hostelがオープンしました。温泉街の駅前という便利な立地にある宿は、これから多くの旅人を受け入れる場所になりそうです。これから旅人をサポートしたいというオーナーの森井さんに、今後の話について聞いてみました。

―まだオープンしたばかりだそうですね。

森井

2月14日にオープンしたばかりなので、まだ10日しか経ってないですね。お客さんもまだほとんどいなくて、今日はのんびりしている方です。

―下呂で宿をオープンということは、以前からなじみのある場所だったんですか?

森井

元はカナダでガイドをしていました。世界中の旅人と触れ合う中で、ずっとゲストハウスをやりたいという気持ちがあったのですが、帰国後に観光の仕事に携われる就職先を探していて。ちょうどご縁があって大阪で旅館やビジネスホテルを運営する会社に就職し、いくつかある施設の中で、下呂に配属されたのが最初ですね。それがちょうど2年前になります。

―配属されてきたというのが、こちらに来たきっかけだったんですね。

森井

下呂は以前旅行で来ていたということもありますが、日本だったらけっこうどこでも住めるかな、と思っていたので、あまり場所のこだわりはなかったですね。配属された旅館で働いていたのは1年半くらいですが、本当はもう少し時間をかけてゲストハウスを始める予定でした。ただ、たまたまいい物件が見つかって話が進んだといった感じです。

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森井

もともと下呂温泉に来る旅行者の属性も知らなかったんですが、旅館で働いているときにも海外の方が来たり、ひとりで計画も立てずにふらっと来る方がいたり、いろんなタイプの方が来ることが分かって、この環境だったら自分でもやっていけるんじゃないか、と思うようになりました。

―Gerobal Hostelはどのくらいの規模になるんでしょうか。

森井

今は男女混合ドミトリーが10床あって、1泊2800円でベッドを提供しています。このゲストハウスに温泉はついていませんが、周りにたくさんあるので、ここに泊まって近隣の素敵な旅館の温泉に入るということをオススメできればと思っています。

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―旅館で働いた後、ゲストハウスの開業はそのまま下呂を選んだということで、何かしら理由があるんでしょうか。

森井

自分の知っている地域でないと、という思いがあって、出身である大阪か下呂かということで考えていました。ただ、自分がイメージする姿として自然が必要だったので、大阪では見ることができない山や川が下呂にはあるので、そこが決め手でしたね。特に、山は季節ごとの変化が感じられるので、自分自身が飽きずに長く住むということも考慮して下呂を選びました。

―人や地域との関係性でいうと、暮らしていて心に響くことはありますか?

森井

旅館で働いているときは、住み込みで働いてずっと中にいたので、地域の方との交流はほとんどなかったですね。長く住むにつれて知り合いは増えて来たんですが、まだこの地域特有の暖かさというのは感じていないと思います。でも、知り合いとスーパーでばったりと出会ったり、この狭さはちょうどよくて。カナダにいた頃もけっこう田舎の方にいたんですが、このくらいの規模の方が自分に合っているのかなと思います。

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森井

他の飛騨地域と違って、このまちは温泉旅館が多いので、地域内外の若い方が集まれる場がとても少ないと思います。だから、むしろこのゲストハウスが交流の拠点になっていけば嬉しいですし、地域内で新しい動きが出てくるきっかけになれば、という思いはありますね。

―なるほど。以前と変わったことも多いと思いますが、住んでみて暮らしに変化はありましたか。

森井

どうしても、生活していくうえで不便な点は否めないですね。他の地域だと、品物も選べてクオリティの高さも選択できるけれど、どうしても地域内で揃えようとするとコストがかかってしまいます。今はほとんどのものがネット通販で買えるので、大きな問題はないんですが、たとえば食材で「これが欲しいな」と思ったときにすぐ手に入らなかったり。以前は、パーティー用のタコスの生地が手に入らなくて困ったこともありました(笑)。

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森井

それから、以前と比べると電車に乗らなくなりましたね。月に1回くらいしか乗らないので、たまに乗ると快適でびっくりします。あと、このまちにはエスカレーターが少ないんですよ。だから、まちに出たときに若者を見たり、エスカレーターを見ると「わぁ、都会だ!」とびっくりしますね。

―思い切りローカルに染まってますね(笑)

森井

それから、自炊は増えましたね。もともと食事はこだわる方ではなくて、大阪にいた頃はチェーン店利用も多かったのですが、そもそもここにはファーストフード店もないので選択肢がないという感じです。それはそれで、いいことだったなと感じますね。

―この地域で宿を開業して、ある程度腹をくくっている部分はあると思いますが、今後についてはどう考えていますか。

森井

正直なところ、都会に未練はありますね。家族や友人がほとんど大阪にいるので、会いにくくなってしまったという点では残念に感じてしまうこともあります。この事業で一生やっていくと思っているわけでもなく、まずは数年頑張ってみて、それから今後のことも判断したいと思っています。

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森井

当面の所は、ゲストハウスとしてしっかり運営していくというのが目標ですね。若者だけでなくて、海外の方にも多く来てほしいと思っています。下呂は旅慣れた人が来るというよりも、卒業旅行だったり、とりあえず温泉が目的で来る旅の初心者も多いので、ここがきっかけで、もっと旅の楽しさを知ってほしいという思いもあります。この場所以外にも、小坂の滝であったり、すぐそばにきれいな川があったりするので、温泉だけじゃない下呂の魅力を伝えていきたいと思います。そのためには、まずは自分がしっかり案内できるようになりたいですね。

―この地域に移住者が増えることについてどう思いますか?

森井

是非来てほしいです!まちに若さが足りないと思うので、外から新しく入って来た人が何かを始めてくれたり、若い人たちの感性で何かを起こすといったことが大切だと思います。僕がひとりで下呂を盛り上げる、というほど大それたことは言えないですが、下呂まで来てくれたら案内もしますし、この地域のことなら何でも聞いてもらえたら嬉しいです。

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地域の魅力を伝えるだけでなく、旅人が今まで持っていなかった情報を提供していきたいと話す森井さんは、これから下呂を訪れる多くの旅人にとって頼れる存在となるでしょう。このゲストハウスがきっかけで、下呂の地域交流がより面白いものになる日はそう遠くないかもしれません。移住前の下見の際は、Gerobal Hostelを訪れてみてはいかがでしょうか。

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