特集 Feature

移住者を知るみなさんに聞きました

コロカルの飛騨特集に登場している、魅力ある飛騨地域への移住者の方々。
彼らは周りから見てどんな人なのか、移住してから地域にどんな変化があったのか。
同じく飛騨にお住まいの、彼らのことをよく知る方々にお話を伺いました。

Vol.05 協力隊員と一緒に未来をつくる、白川村のキーマン

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地域おこし協力隊のよき理解者 : 高島一成さん

白川村は、2013年から地域おこし協力隊の受け入れをスタートし、多くの個性的なメンバーが集まっている。彼らは、野外映画イベントであるシネマキャラバンを誘致したり、空き家のリノベーションプロジェクトを何棟も仕掛けたり、全国でも珍しいイベントを次々と実施している。そんな精鋭たちを全国各地から引っ張ってきた第一人者が、白川村役場に勤める高島一成さんだ。「外の人が持つ価値観を村に取り入れたい」という一心で役場と村を奔走し、積極的な移住者受け入れを行ってきた高島さんに、これまでの活動について聞いてみた。

移住者はオシャレじゃなくていい

「世の中のいろんな移住系の媒体を見ていると、移住者はカフェやゲストハウスを始めたり、ファンヒーターより薪ストーブとか、オシャレなものが目につくことも多いですよね。でも、個人的にはもっとふつうの移住者がいてもいいんじゃないかと思います」

「昨年越してきてくれた木村さんも、『都市部の環境から離れて家族の時間を増やしたい』と言っていたように、世の中には、ただ単純に今の環境から離れたいと思っている人が多いんじゃないでしょうか。そこには前向きな生産活動や、こだわりの生き方がないかもしれないけれど、そういったものに縛られずに、その人にとって住みよい環境であればいいのかなと思うんです」

世の中の移住ブームの潮流に乗らなくても、“ふつう”であって構わないというところから話はスタートした。メディアで組まれる移住特集では、「理想の田舎暮らし」に対して偏ったイメージを持つことも少なくない。そういったイメージに捉われることなく、高島さんは、村にどんな人が来てもいいように、住みやすい環境をつくることこそが重要だと考えている。

アツイ柴原さんと遠慮する高島さん

「村の人口は、僕が入庁した平成10年で2100人ほどでしたが、ずっと減り続けていて平成27年で1680人。このままじゃまずい、ということで村長・副村長に『外の人を長期で受け入れる環境が必要です!』と訴え続けていました。1年ほどずーっと訴えていたら、よし、やってみるか!と決断してもらえたので、これはやったぞ!と。とはいえ、協力隊の募集ノウハウも何もなかったので、友人の紹介を頼りにgreenz.jpというwebメディアに協力隊募集の記事を載せてもらったのが始まりですね。外からの価値観を村に取り入れる、ということに反応してくれたのが第一期の協力隊メンバーで、柴原くんとはそこからの付き合いになります」

高島さんが、白川村で柴原さんと面接をしたとき、奥さんとまだ小さい息子さんたちが一緒だった。家族で来てくれて嬉しい反面、これは完全に想定外だったという。

「募集方法も今までにないようなwebメディアで、協力隊ではなく『ヘリテージコミュニティマネージャー』と、やけにカッコイイ名前もついている。これは完全に前のめりな独身が来るぞ!というイメージがあったので、まさか所帯を持った方が応募してくるとは思っていませんでした。家族を想定していなかったので、住むところもきちんと用意できていないし、そもそも給料も安い。彼がどんなに熱い思いを持っていても採用は難しい・・というところがありましたね。当時の柴原くんは社会人ステータスも相当高かったので、その暮らしを捨てて村で受け入れるというのは責任重大です」

結局、役場で何度も話し合って受け入れようと腹をくくった。高島さんも責任の重さを改めて感じ、よく分からんやつがやって来たという空気をつくらないために、村を奔走していた時期もあったという。

村に起こった変化

「彼は、みんなが見向きもしないような空き家を再生して、地域に賑わいをつくってくれました。それを追うようにゲストハウスが1棟できたり、特に同世代が影響を受けています。やりたいことをやったらいい、というメッセージを受け取って、地域の人が元気になったのは分かりやすい変化でした」

柴原さんが村に新しい風を吹き込んで、村民にあたらしい価値観をもってもらえたことは、大きな変化だったという。地域の活動にも積極的に参加することで、徐々に村民側も柴原さんを受け入れるようになっていった。平瀬地区に古民家を購入して改装し、カフェをオープンしたことでより村民との繋がりが濃くなっていった。

「柴原くんからは、着任後すぐに起業するという話があったのでびっくりしたのを覚えてます。ただ、村としては定住を目指したいのに、任期後に会社立ち上げて定住を!というのは無理すぎますよね。だから、任期中に起業するのがより定住に繋がるということをアピールして、村長にOKをもらいました。これはほかの隊員も一緒で、映像制作や古道具販売をやっている方もいます。村にも必要なサービスだし、定住にも不可欠なので、こういったものには今後も柔軟に対応していこうと思っています」

「柴原くんをはじめ、特に1期生は大変なことも多かったので思い入れが強いです。受け入れに役不足があったかもしれないけれど、協力隊の活動に関われたことは嬉しかった。任期は終わりましたが、これからも彼のことを応援していきたいですね」

世界遺産を抱える人口1700人の小さな村。短期滞在の旅行者への訴求はできても、村に定住してもらうというチャレンジは始まったばかりだ。高島さんのように並走してくれる協力者がいることは、移住者にとって何よりも心強い。

一緒に未来を描ける場所

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