飛騨高山の中心地、駅から徒歩7分、目の前に広がる宮川、そんな立地に飛騨初のコワーキングスペース「co-ba hida takayama(コーバ ヒダタカヤマ)」があります。飛騨高山ならではのムーブメントを創造発信する為の拠点として2015年4月にオープンしました。
フリーアドレスの席で、アイデアや仕事をシェアしながら働く場にはどんな人たちがいるのかを管理人の住(すみ)が調べてみました。
「自分、取材とか得意じゃないんですよ、何話したらいいんですか」とはにかんで笑う洞口平さんは、飛騨出身26歳。18歳まで地元で過ごし、その後名古屋の美術大学へ、そして東京のデザイン制作会社へ入社し、昨年9月に飛騨へ戻ってきたUターン者です。
「そもそも刺激を多く受けられる都会が好きで、飛騨には戻りたくなかったんです。でも一度体調を崩したことをきっかけに、今の会社に勤めながら飛騨で働く選択もありだと思って帰ってきました。会社の遠隔地勤務の条件の一つが、ワーキングスペースがあることだったので、飛騨にco-ba hida takayamaがあってよかったです」
洞口さんは東京の会社に所属のまま、飛騨にやってきました。洞口さんの会社では、リモートワークでの勤務を可能にする体制づくりを進めているようです。
「実際この場で働いてみると都市生活を経験した人、意識や意欲がある人と良く会えるので田舎でもアドバンテージになってるかなと感じてます」と語る。実際この場には飛騨に興味を持って都市部からきてくれる人、また共同で企画を行いたい人が多く集まってきており、どこか都会と飛騨の交流拠点になっているようです。
「今やっているwebの取材でさまざまな地域に行く機会があるんですが、意外と飛騨から行きやすいっていうのもありますね」
洞口さんは、地方の良いものを紹介するwebマガジン【nukadoco】の制作を担当しており、各地方へ足を延ばしています。確かに飛騨は場所的には日本の中心で、関東、関西どちらにも意外と行きやすいのです。
「本業もしっかり行いながら、飛騨にもいろんなチャンスがあるような気がしてるんです」と話す洞口さんは、飛騨のもつポテンシャルや、逆に飛騨に足りてないサービスも感じていて、なにかこれから動きだしそうな気配です。彼の今後の動向が楽しみです。
参考:洞口さんの担当するnukadoco
【飛騨・コワーキングな人NO.2 Alexandre Guillon(アレックス)さん】
「Hallo げんきすか?」明るく挨拶をしてくれるアレックスさんは34才、フランス人のプロダクトデザイナーです。「これ僕がデザインしたカバン」と自分でデザインしたカバンを大事そうに使っています。
そんな彼は、2ヵ月の飛騨滞在でco-ba hida takayamaを利用しています。
「木のものづくりに興味があり、1回目に来たときにとっても飛騨が気に入って、1回目は3日間だったのが、2回目は1週間、3回目は3週間、4回目は2ヵ月と滞在期間が延びていったんだ。実は飛騨高山で彼女ができたのも大きいんだけど」と話す彼は大手スポーツ用品会社のデザインを担当し、フランス3カ月、中国の工場2週間というサイクルで働き、その合間に日本にもやってきています。そして第1回目の飛騨訪問で飛騨の彼女ができたようです。
「今回2ヵ月の滞在で、家も借りたけど、家で働くとなまけちゃうし、1人はいやだし、日本人ともしゃべりたかったので、丁度コワーキングスペースがあってよかったよ」
そんな彼は飛騨滞在中に来年度のスーツケースの企画案を4つ提出するという仕事を抱えていました。フランスとの時差があるので、夕方6時頃からフランスの同僚とスカイプ、それまでデスクワークをこなすというワークスタイルです。
「フランスの事務所よりco-baの方が効率的だね。通勤時間は短いし、集中できるし、フランスの2倍スケッチが進んだよ」と冗談のように言っていました。空いた時間にはコワーキングスペースのメンバーと大好きな寿司を食べにいったりと、旅するように働くスタイルが染みついている様です。
「飛騨にはアイデンティティがあるよね。山とか木の文化もすきだし。あと、パン屋もおいしいよね。逆に刺激が少ないから、次の1週間はちょっと東京へ行こうと思ってるんだ」と話す彼。次回飛騨にきたら是非、飛騨の人と一緒にプロダクトを作ってみたいと語る彼の次回飛騨訪問が楽しみです。
参考:アレックスさんの関連ページ
場所に縛られない働き方をする人たちが増えてきている今日この頃。
ずっと1ヵ所で仕事するわけでもなく、人生の1つのタイミングで飛騨を仕事場にしてみるのも、新しいあなたのライフ・ワークスタイルの発見としてありではないでしょうか?
旅するように仕事をする人たちが増えてきています。